基本施術

筋肉痛

原因

筋肉痛は、筋肉の働きと伸縮を原因として発生します。
筋肉は本来、収縮することで力を発揮し働く性質を持っており、この収縮によって力を発揮する筋肉の働きを「コンセントリック収縮」と言います。
逆に、筋肉が伸張しながら力を発揮する働きを「エキセントリック収縮」と言います。
筋肉痛は、本来の働きではないエキセントリック収縮が原因となって起こっているものです。
エキセントリック収縮は、筋繊維が伸びきった状態で力を出そうとするので、筋繊維が小さな断裂を起こしやすくなります。
この筋繊維の断裂が筋肉痛の痛みを起こす原因となるのです。
 

筋肉痛

施術法

筋肉痛の痛みは、筋肉の炎症が原因のひとつとなっています。
この炎症をアイシングなどで冷やして鎮めた後で、マッサージや入浴で温め血行を良くして治りを早めるのが筋肉痛の施術の基本となります。
冷たいシャワーを浴びた後湯船に浸かって温まるといった温冷浴や冷湿布が効果的です。

肉離れ

原因

肉離れが起こる原因は、筋肉が収縮している際に自分が出した筋力に耐え切れず筋肉の繊維が断裂を起こすことで発生します。
発生の兆候や条件としては、筋肉の柔軟性が低下している時や、体調が急に良くなり、いつも以上のパフォーマンスができたり、疲労をため込み過ぎたり、急に気温が下がった時などになりますので注意が必要です。

肉離れ

施術法

肉離れが起こったら早急な対処をすることが、肉離れ施術の基本です。
また、ストレッチをしたりして筋肉を伸ばすことは禁止です。
安静、適正な角度での固定、患部の冷却といった応急処置をしてください。
固定期間が終わると、電気刺激を与えたり肉離れの硬縮を取ったりといった施術法が行なわれます。

捻挫

原因

捻挫は、手首や足首などの関節に過度に強い力が掛ったり、関節が限界以上に捻られたり、曲げられたりしたことによって靱帯が損傷し発症します。

施術法

RICE処置もI(アイシング)と安静以外は捻挫の回復を遅らせます。
Rest(安静)は1~3週間です。
compression(圧迫)は、循環障害を起こして後遺症の原因になる可能性があるので、注意してください。

捻挫

打撲/打ち身

原因

打撲は別名を「打ち身」と言うように、身体を何かに強く打ちつけることで発症します。
打ち付けられた部位は、皮膚の下に通っている毛細血管が皮下出血を起こしてしまい、あざが残ってしまいます。
打撲でできるあざの色は個人差があり、多くの場合は「青タン」と呼ばれるような青いあざになります。
打撲は、主にラグビーやサッカーなどの球技や格闘技などのコンタクトスポーツに多くみられます。
また、強い打撲では内出血がひどく起こり、骨化性筋炎という筋肉に溜った血が骨化してしまう状態になり、手術を要することもあるので打撲だからといって軽く捉えないようにしましょう。

打撲/打ち身

施術法

打撲への応急処置としては、スポーツ障害への処置の基本である「RICE」が有効です。
安静にして、患部を痛みが治まるまで冷やすのが基本となります。
患部へのアイシングは15分程度に抑え、痛みがぶり返したならもう一度アイシングをするという形で行っていきます。
頭や胴体を打った場合は、直ちに安静にさせます。
頭部打撲では意識障害が起こるので、頻繁に呼びかけて意識の確認を行います。
意識障害がなくても、後で吐き気や手足の麻痺などが起こる場合もあるので、なるべく早く病院で精密検査を受けるようにします。腹部や胸部に打撲が起こると、肋骨や胸骨が骨折している場合もあるので注意しましょう。

突き指

原因

突き指は素手でボールを扱うことが多い球技に起こりやすいです。
具体的には、野球・バレーボール・バスケットボールなどですが、場合によってはサッカーのゴールキーパーにも起こります。
これらのスポーツの共通点は「ボールを指先で捉える機会が多いこと」「倒れるなどして地面に指先をつける機会があること」などが言えます。
特にヘッドス ライディングで指先から滑り込む野球や、回転レシーブなどで指先を地面につけるバレーボールが、突き指を起こしやすいスポーツとなっています。
そして、これらのスポーツは指先の使い方が試合の結果に大きくかかわってくる性質を持っているため、突き指が選手生命を左右することも充分にありえるのです。

突き指

施術法

突き指は、甘く見られがちな怪我です。
俗に「突き指をしたら引っ張ってやればよい」と言われていますが、逆に指の骨の脱臼や腱の炎症を引き起こす原因となってしまうので厳禁です。
突き指を起こした場合は、RICEにしたがって患部の冷却を行います。
ただし、素人が無理にテーピングや包帯などで固定しないでください。容易に循環障害を起こす可能性があります。

脱臼

原因

脱臼は、相手の選手とぶつかり合うような激しいスポーツに多く見受けられます。特に相手の関節を攻撃の起点とする柔道は脱臼との関係が深いと言えます。
柔道以外のスポーツでは、スキーやスノーボードやラグビーなど転倒により不意に大きな力が腕に加わるスポーツに多く見られます。脱臼は他者とのぶつかり合いだけでなく、自分の力によって発生することもあるので覚えておきましょう。
 

脱臼

施術法

脱臼した関節を元に戻すことを「整復」と言います。
脱臼の施術は、整復した後の靱帯への処置が大きな比重を占めていると言えるので、専門の柔道整復師(整骨院の先生)や整形外科医に見てもらう必要があります。